炎天下の中、外出や通院も大変な季節ですが、そんな中でも健康を守るための内視鏡検査の大切さについて改めてお伝えしたく、久しぶりにブログを更新致しました。是非ご覧ください。
今年は例年以上の猛暑となり、身体への負担を感じている方も多いかもしれません。
とくにこの季節は、胃腸の不調が起こりやすくなる時期でもあります。
暑さによる影響で、冷たい飲み物や食べ物を摂る機会が増えると、胃腸が冷えて機能が低下し、胃もたれ・下痢・食欲不振などの症状が現れることがあります。
また、冷房の効いた室内と外気との寒暖差、夏バテや睡眠不足により、自律神経が乱れることで胃腸の働きが鈍ることもあります。
さらにこの時期は、気温や湿度の高さにより食中毒や感染性胃腸炎のリスクも高まります。
食欲が落ちて、そうめんや冷たいものばかりに偏ると、必要な栄養素が不足し、腸内環境も乱れがちに。
その結果、便秘や胃炎・腸炎などを引き起こすケースも見られます。
もしも以下のような症状が続く場合には、胃や腸に何らかの異常が隠れている可能性もあるため、一度専門的な検査を受けることをおすすめします。
・長引く食欲不振や胃の不快感
・繰り返す下痢や便秘
・血便・黒っぽい便
・食事がとれず体重が減ってきた
今回は、胃カメラをできるだけ楽に受けられるポイントをお伝えします。
胃カメラに対して、誰でも恐怖心があり緊張されるとは思いますが、できるだけリラックスし、肩の力をぬきましょう。体や顔に力が入ってしまうと、検査後にのどの痛みが出ることがあります。
ポイント①体勢は常に横向きで、右足を左足の前に出し、膝を曲げます。
のどの麻酔をしているため、唾液や上がってきた胃液が気管に入るとむせたり、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。仰向けだと誤嚥を起こしやすいため、しっかりと真横を向きます。

ポイント②顔の位置は、「枕に左頬を付ける」ように意識します。
ポイント③検査中も必ず呼吸は出来るので、落ち着いて「深呼吸」を繰り返します。
鼻からゆっくり吸い、口から「ハー」とため息をつくように、ゆっくり吐きましょう。
呼吸を意識すると、自然と体の力が抜けるかと思います。
ポイント④検査中、唾液は飲み込まないで、口の外に出してください。
ポイント⑤終盤はゲップを我慢。
検査の中盤以降、胃を膨らませて観察するため、カメラの先端から空気を入れます。少しお腹が張りますが、なるべくゲップは我慢してみてください。うまく我慢できると胃の中の観察がスムーズに進み、検査時間も短くなります。
ポイント⑥鎮静剤無しで胃カメラを受ける場合は、検査中に目を閉じない。
検査中に目を閉じてしまうと、喉に意識が集中し、オエッとしやすくなります。なるべく目を開けて、ぼーっと遠くのほうを見るようにしましょう。
これらの内容は検査時にも、都度説明させていただきますのでご安心ください。
胃カメラを楽に受けるポイントをお伝えいたしましたが、一番楽に受けられる方法として、鎮静剤の使用をおすすめします。鎮静剤の効果には個人差もありますが、意識がある状態で胃カメラを行うよりも数段ラクに検査を受けていただけるかと思います。
患者様から、鎮静剤って全身麻酔のことですか?という質問をいただくことがありますが、全身麻酔という言葉を使う場合は鎮静剤に加えて筋弛緩薬を使用し、その場合は人工呼吸器での呼吸管理が必要になります。胃カメラや大腸カメラといった内視鏡検査の時には筋弛緩薬は使いませんので、患者様がイメージする全身麻酔とは異なるかと思います。
鎮静剤だけでも、完全に眠って検査を覚えてない方もいらっしゃれば、「うとうとしていたけど、なんとなく覚えています。」という患者様もいらっしゃいます。
大量に鎮静剤を投与することにはリスクもありますので、医師が安全を最優先で投与量を調整致します。
当院では、苦痛の少ない内視鏡検査を通じて、胃腸の状態をしっかりと確認し、早期発見・早期治療に努めております。
「ただの夏バテかな」と思っていた症状の裏に、思わぬ病気が隠れていることもあります。
不安な症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。